お世話になります。店長の宮本です。週2回の稽古にここのところ
週1回しか参加できず少しうずうずしている今日この頃です。
先日、お送りしてもらった防具の中に修繕のたくさんしてある
防具がありました。たくさんの箇所を修繕してあり、
この防具はとても大事に使われていたんだなと思い
なんだか胸が熱くなりました。長年この防具と一緒に
たくさんたくさん稽古されたんだなと思いました。
他人からすると継ぎ接ぎのたくさんある防具ですが
ご本人様にとってはお思いの詰まった大事な防具ですね。
人によって傷む箇所に若干違うのですが、稽古によって
どのように防具が傷んでいくのか、どのように稽古をされて
いたのかを防具から知ることができます。
さて、いつも防具をお送りいただきありがとうございます。
簡単ですが防具の査定する際のポイントをお伝えさせてもらいます。
まずはミシン刺しか手刺かで見ます。販売の際でも手刺が人気が
ありますので手刺の方が値段が高くなります。ですが東京正武堂【鐵】
ミツボシ【峰】と平野【一引】などといったブランド防具などは
ミシン刺しでも値段が高いです。手刺では高山長吉作など防具職人が
つくられた防具はとても人気があります。
【面】
・面金の凹み、傷を見ます 変形がないかも見ます
・面金の種類を見ます。ジュラルミン、チタンが一般的です
古い物では鉄やステンレス、洋銀といったものがあります。
ステンレスや鉄は重くあまり人気がありませんが
逆に重いのがしっくりくると言う方もおられます。
・面の縁革の確認 黒の合皮、クラリーノ、本革か見ます
・面垂(面の横のひらひらした部分)の長さを確認します
古い物は長い物が多いです。最近の流行はしては短い物が
多いようです。短すぎるのもどうかと思いますが、
竹刀が振りやすいので少年剣士には短い物をすすめてます。
・内側の擦れを見ます。ちょうど顔のエラ部分の位置がよく
擦れて傷んでます。
・内輪の変色、色褪せ、擦り切れなどを確認します
・全体的な藍の色あせや、汗じみを見ます。
藍色部分にかなり黄ばみ(皮脂・汚れ)があるとマイナスです。
・面金の縁革のハガレを確認します。
・縁革の傷みや色あせ、閉じ革などが切れていないか確認します
・面紐が傷んでいないか、ほつれていないかを確認します
・顎が折れていないか、曲がっていないか確認します
【小手】
・手の内に穴や破れがないか、伸びてしまっておりもうすぐ
破けてしまう状態ではないか。ご自分で洗った防具に多いのですが
乾燥してガチガチに 固まってしまっていないかなど確認します。
・手の内の革の種類を確認します。
・重さを確認します。手刺のかなり上級の小手は軽いという印象があります。
・筒の部分に擦り切れがないか確認します
・手の内の縁革に糸がほつれて開いてしまっているところが
ないか確認します
・紐の色あせや擦り切れがないか確認しています
小手紐の交換は意外と手間がかかってしまいます。
【垂】
・垂の傷みやすい所は写真の縁の部分です。よく革が擦れて
破れてます。真ん中の飾りの部分もよく擦れるので傷みます
真ん中にある飾りの祭り部分はよく切れてます。
・色あせや黄ばみなどを確認します。
・内側の小垂を確認します。隠れている部分なので比較的
傷んでない事が多いですが、見落とさないようにしてます。
・垂紐の付け根部分の傷みを確認します
・垂紐が破れていないかを確認します。
【胴】に関しましては、また次回説明させてもらいます。
渋い胴を用意しておきますね。
当店では日々、お送りいただいた防具をもっともっと
再利用できるようにしていきたいと思ってます。
思いの詰まった防具を次の方に大事に使ってもらえるように
気持ちよく使ってもらえるように橋渡しをしております。
ですが、すごく傷んでしまって再利用できない防具や竹刀も
あります。このようなお品でも何か再活用できないかと
考えております。清掃や修繕できるものはリユース。
出来ないものはリサイクルできる方法を見つけて
SDGSにつなげていくことを目指してます。
割れたり古くなったりして使えなくなった竹刀も
お引取りできるように今は竹刀の再活用プロジェクトを始動中です。
また形になりましたらご報告させてもらいます。
お読みいただきありがとうございました。お役に立てると幸いです。
もうすぐ春、ご卒業のシーズンですね。ご不用になってしまった
防具の買取お待ちしております。
剣道防具買取本舗 宮本 聡